腕枕をして寝たら、翌日に手がしびれたり、麻痺したりして驚いたという経験はありませんか。腕の神経が圧迫されることが原因です。
この記事ではハネムーン症候群の概要と治し方について解説します。この記事を読むと、ハネムーン先で腕のしびれや麻痺があっても、焦らずに対応できます。ぜひ最後までご覧ください。
ハネムーン症候群とは?
ハネムーン症候群とは、腕が圧迫されたときに起きるしびれや麻痺を指しています。ハネムーンの夜に腕枕をして寝て、翌日の朝起きたときに、腕のしびれや麻痺を感じることから名づけられました。
正式名称は「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」です。橈骨神経は、肩から指先まで伸びている神経です。腕の外側を通るため、圧迫されやすい位置にあります。
ハネムーン症候群は、ハネムーンのときだけではなく、うつぶせで寝たり、腕を体の下に置いて長時間過ごしたりしたときにも起こりやすいと言われています。
ハネムーン症候群の程度は次のとおりです。
軽度:片手を握った状態で、手首を水平より高く持ち上げられる状態
軽度から中度:片手を握った状態で、手首を水平まで持ち上げられる状態
中度から重症:片手を握った状態で手首は持ち上げられるが、水平までは上げられない状態
重度:手首や指がわずかに動く状態
重症:手首がまったく動かず、指も上げられない状態
ハネムーン症候群の治し方
ハネムーン症候群の多くは自然に治ります。お風呂などで温めながら、患部をゆっくりとマッサージしましょう。湿布を貼ると痛みを感じやすくなります。
3日ほど様子を見ても麻痺やしびれが改善しない場合や、悪化した場合は、整形外科を受診しましょう。ハネムーン症候群が完治するまでにかかる期間は、軽度なものは1ヵ月ほど、重症な場合は3ヵ月から5ヵ月ほどと言われています。
整形外科でのハネムーン症候群の治療は、保存的療法と手術療法の2つが一般的です。
保存的療法:
骨折などの原因がない場合は、保存的治療を行います。保存的療法は以下の3つです。
- 手首を装具などで固定
- 運動療法や温浴療法
- ビタミンB12や消炎鎮痛剤を使用
ビタミンB12には神経の働きを保つ効果があると言われています。ビタミンB12が豊富な食べ物は、レバー、魚、貝、海藻、卵、チーズです。健康に良い栄養分のため、普段から意識して摂取するとよいでしょう。
3ヵ月ほど治療を続けても改善しない場合は、手術療法に変える可能性があります。
手術療法:
ハネムーン症候群の原因が骨折や脱臼、腫瘤の場合は手術が必要です。腫瘤とは体内にできる「できもの」や「こぶ」のことで、良性と悪性があります。
神経が損傷している場合は剥離や縫合、移植の手術を、手術での回復が難しい場合は、他の筋肉で動かせるようにする手術(腱移行手術)が選択されます。
まとめ
ハネムーン症候群の概要と、治し方について解説しました。
ハネムーン症候群は、腕が圧迫されたときに起きる、しびれや麻痺のことです。ハネムーン先でよく起こる症状のために名づけられたと言われています。
多くの場合、患部を温めてゆっくりマッサージすれば、自然に治ります。しかし、回復しない場合は整形外科を受診しましょう。
ハネムーン症候群を事前に知ると、旅先で腕にしびれや麻痺が発生しても、落ち着いて対応できます。概要と対処法を知って、思い出に残るハネムーンを満喫しましょう。