腕枕で起こる!?手の異常「ハネムーン症候群」の原因や治し方などを詳しく解説

ハネムーン

「ハネムーン症候群」は、睡眠から目覚めたときに気付くことが多い病気です。

カップルが眠るとき、パートナーに腕枕をして発症しやすいというところからこの呼び名が付けられました。

とはいえ、パートナーのいる人だけがかかる訳ではありません。何かに寄りかかったり、自分の頭を腕に乗せたりして眠ったら翌朝発症していたということもよくあるケースです。休日前夜などに多く発生することから、「サタデーナイト症候群」と呼ばれることもあります。

本記事ではハネムーン症候群が起こる理由や詳しい症状について解説するほか、対処法と治し方などを詳しくまとめます。

ハネムーン症候群が起こる原因とその症状

ハネムーン症候群というのは、正式名称ではありません。実際には「橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)」といいます。橈骨神経は上腕の骨と近い位置にあり、ワキの下から二の腕を通り手指までを結ぶ大きな組織です。

手や指の筋肉を動かしたり知覚を担ったりする役割があるため、この神経を長時間圧迫することで、しびれや運動障害を引き起こします。

では、ハネムーン症候群の具体的な症状とはどのようなものなのでしょうか。

以下に代表的なものをまとめます。

  • 手首を上に反らせない・反らしにくい
  • 指のつけ根の関節が動かせない・動かしづらい
  • 手にしびれがある(痛みはない場合が多い)
  • 手に力が入りにくい
  • 起きたとき手に違和感が生じる

神経へのダメージの度合いや、腕のどの位置が圧迫されたかによって症状が異なりますが、おおむね上記のようなことが起こると考えられます。できる限り眠りに落ちる前に体勢を整えることで予防が可能です。

ハネムーン症候群の対処法や治し方

ハネムーン症候群が疑われる場合、最寄りの整形外科を受診することで対処します。

基本的にはおおむね1~2ヵ月程度で自然に治る病気ではあるものの、まれに骨折や腫瘍などに起因して腕に症状が起こっている場合があるため、特に原因をハッキリ覚えていないときは放置しない方がよいでしょう。

前述したとおり神経へのダメージの大きさや圧迫した場所によって症状は異なるため、治療方法としてはいくつかの選択肢があります。まず、自然な経過で治癒が見込まれる場合は、保存的療法で回復を待つことになるでしょう。具体的には、患部の負担を軽減する装具の着用や運動療法、リハビリテーションなどがケースバイケースで選択されます。消炎鎮痛剤、神経の再生を助けるビタミンB12の内服薬など、薬物療法が選ばれることもあります。

3ヵ月以上の長期にわたっても回復しない、神経が損傷してしまっている、骨折や腫瘍を原因としたハネムーン症候群などのケースでは、手術療法が検討されます。

まとめ

ハネムーン症候群は、腕に負荷をかけることで、誰でもかかる可能性のある病気です。パートナーがいる人はもちろん、一人で眠るときにでも起こるので、十分注意しておきましょう。寝姿勢を整え、腕に重みをかけないことが大切です。